朝日がわたしの白黒の毛を優しく照らす。
いつものように、キッチンから漂ういい匂いに誘われてテーブルの上を覗いてみたら……。
え?これ、わたしの?
大きなお皿の真ん中に、焼きたての魚が堂々と鎮座しているじゃないの!
わたしは信じられない思いでその魚を見つめた。
ふわっと香る香ばしい匂いが、わたしの小さな鼻をくすぐる。
目の前の白いごはんは湯気を立てている。熱いのかな?
「今日は特別だよ。」飼い主たちが優しい声でわたしに話しかけるけど、正直もうそれどころじゃない!
わたしの視線は魚に釘付け。
匂いをひと口分味わうみたいにクンクンしてから、そっと歯を当ててみた。
わぁ!外はカリカリ、中はふわふわ!
口の中で広がる幸せな味に、わたしは思わずしっぽをピンと立てた。
こんな素敵な朝ごはん、わたしのためだけに用意されたの?夢みたい。
ふと飼い主たちを見ると、みんなわたしを見ながら笑っている。
もしかしてこれ、わたしを喜ばせるために頑張ってくれたのかな。
そう思ったら、なんだか胸がじーんと温かくなった。
「ありがとう、大好きだよ。」言葉は出せないけれど、わたしのしっぽの動きで伝わるといいな。